役務の提供(Supply of Services) とは、物理的な財の移転を伴わない取引であり、コンサルティング、広告、ソフトウェアライセンス、通信サービスなどが典型例です。EU VAT指令では、財の供給以外のすべての経済活動が役務の提供とされています。
1. 役務の提供の定義
役務提供は、事業者が対価を得て顧客に経済的価値を提供する行為を指します。非営利的な業務や無償提供などは、特例を除き課税対象外です。
2. 課税地
サービス取引では、取引場所(Place of supply)が非常に重要です。役務の内容や提供対象がB2BかB2Cかによって課税地の判定ルールが異なります。
3. B2Bの課税地
事業者間取引(B2B)の場合、原則として「受け手の所在国」が課税地となります。この場合、サービスを受ける側がリバースチャージ方式でVATを申告・納税します。これにより、供給者は受け手国での登録を省略できる利点があります。
4. B2Cの課税地
個人消費者向けのサービス(B2C)の場合は、「提供者の所在国」が原則の課税地です。ただし、電子サービス、通信、放送などの一部サービスは消費地課税が採用され、消費者が居住する国でVATを納める必要があります。この場合、事業者は「OSS(One Stop Shop)」制度を通じて、一括申告・納付を行うことが可能です。