1.1 GST/HSTとは
カナダの売上税はGST(Goods and Services Tax:物品サービス税)とHST(Harmonized Sales Tax:統一販売税)の総称で、連邦政府が管理する消費税です。基本税率は5%ですが、一部の州では州税と統合したHSTとして13〜15%が適用されます。
販売者は商品・サービス販売時に税を徴収し、カナダ歳入庁(CRA:Canada Revenue Agency)に申告・納付します。日本のように全国一律ではなく、州・準州によって税率やルールが異なるのが大きな特徴です。
1.2 GST/HSTと州税(PST/QST)の違い
カナダには連邦レベルのGST/HSTに加え、州が独自に課す税があります:
• PST(Provincial Sales Tax):ブリティッシュコロンビア州(7%)、サスカチュワン州(6%)など
• QST(Quebec Sales Tax):ケベック州独自の州税(9.975%)HST参加州(オンタリオ、ニューブランズウィックなど)では連邦税と州税が統合され、1枚の請求書で完結します。一方、PST州ではGST+PSTを別々に計算
・徴収する必要があります。
1.3 日本の消費税との比較
日本の消費税(10%)は最終消費段階のみ課税されますが、カナダのGST/HSTは**「付加価値税(VAT)」に近い仕組み**です。事業者が仕入時に支払った税金は「Input Tax Credits(仕入税額控除)」として、売上時に徴収した税金から差し引けます。
この仕組みにより、事業者は税金を「預かる」立場となり、最終消費者が実質負担します。再販業者間取引では免税となり、輸出品も基本的に非課税です。
1.4 EC事業者にとってなぜ重要か
カナダはShopifyの本社所在地(オタワ)であり、ECプラットフォーム利用者が多い市場です。しかし、売上高$30,000 CAD(約300万円)を超えると強制登録義務が発生し、物理的な拠点がなくても課税対象となります。
Amazon.caやEtsy Canadaでもマーケットプレイス法により税代行が行われますが、自社Shopifyストアやデジタル商品販売者は完全自己責任です。特に日本からの越境EC事業者は、輸入時のDuties & Taxes対応も求められ、税務知識が不可欠です。
1.5 本ガイドの目的
本ガイドでは、カナダでEC事業を行うための売上税知識を体系化します:
• どの州で登録が必要か判断できる
• GST/HST登録から申告・納付までの流れを把握
• 自動化ツールや仕入税控除を最大活用
• 監査リスクを最小化し、事業拡大をサポート
GST/HSTとは
GST/HSTと州税(PST/QST)の違い
日本の消費税との比較
EC事業者にとってなぜ重要か
本ガイドの目的
課税対象商品・サービス
連邦税+州税の合算構造
登録義務の閾値
HST参加州と非参加州
州別税率表
ファースト・ネーションズ税
準州・遠隔地の特例
GST/HST登録手順
Shopify・Amazon設定
輸入販売時の対応
電子申告システム
マーケットプレイス税代行
自社ストアとの違い
主要ツール
Voluntary Disclosures Program
EC事業者への提言